祝いの晩餐

8時前に私は新横浜駅に着きました。電車に乗るのは随分と久しぶりのことでした。風呂上がりの一杯なんて引っ掛けなければもっと早くつけたのにと後悔の念は多少なりともありましたが、今日に限って、私は無性に飲みたい気分でした。輝美は10分遅れでやってきました。輝美は髪を切ったようでした。「それ、今日切ったの?」「そう。誰かさんのお陰で随分と時間持て余しちゃったから」「そうか、悪いな。似合ってるよ」私は確認するように尋ねている自分に少しばかり嫌気が差しました。年々、自らの記憶力の低下を実感するようになってきていてそれが恐ろしかったのです。巷で若年性のアルツハイマーが流行っているというのを耳にしてからというもの、昔は心のどこかで小馬鹿にしていたその症状が、まるで他人事とは思えなくなっていたのです。

輝美の提案で私たちはシティホテル内のレストランで食事をすることにしました。フロアを天井から床までなぞるように見渡しながら私はつくづく自分には似つかわしくない場所だと思ってしまいました。「乾杯。輝美、おめでとう」出された料理をつつき、出会ってから今までのことを二人で一緒に振り返りながら私たちはしばしの間、ささやかに盛り上がりました。「ねえ、このあとどうする?」「どうするって、帰るだろ。明日も仕事だし」「そっか」輝美がなにか物足りなさそうにしているのは珍しいことでした。窓の外をおぼろげながらどこか寂しげに見つめている輝美の表情を見せつけられているうちに、出会って間もない頃の新鮮でいて実直だった感情が蘇ってくるのでした。 マイナチュレ育毛剤 口コミ